鹿角碑文 GLN 地獄から追い返された話
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【03】幽界談義 本稿の話は、ひとまず次項を挿入します。 宗教の精髄聖書の起源／カインの罪 ［講談社発行「聖書の起源」・同文書院聖書の起源／カインの罪］ページ この物語は、"禁断の園"の木の実を食べて、エデンの楽園を追放されたアダムとイブの後日譚（たん）から始まります。神の罰により食物のために顔に汗して、一生苦しみどおし働き続けねばならなくなった人間アダムとイブに、カインとアベルという二人の息子が生まれました。 ………… 神は、放浪者カインを誰も打ち殺すことのないように、一つの「しるし」を付けました。カインは、神の「しるし」を身に帯びて神の元を去りました……。 即ち、地獄へ迷い込んだ（落とし込まれた）私は、地獄での審判を受けました、こ奴のこれまでの行状は、甚く黒っぽい。極めて黒に近い灰色だ。しかし、地獄では、こ奴を処断する［パラダイム（規範＝法規（慣例））］が未整備なので、放免するしか手立てははない。よって幽界へ追い返さなければならない、鬼達は私に【印】を付けました。「地獄入りしたことを記録に留めておかなければならない＝前科者」と言う、私にとっては、悔んでも悔やみきれないとても屈辱的な処断（審判）であった。以後私は、【前科者】という烙印を背負って、リハビ治療（幽界での修養）、ショートステーなど高齢者福祉諸施設暮らし（游界での修養）で余生を過ごすことになろう(・_・)。 、 鹿角厚生病院501号室、脳神経外科ナースステーションの直ぐそば、深夜、影絵のような若い医療関係者たち大勢がベッドの足元に括り付けてある医療メーターを取り囲んで何やらミーティングをしている、あわただしい音声は聞こえないが手際よく動いている、走馬燈のように消えてしまった。蜃気楼か、よく観察できない、朝になった、私は何をしなくても、看護や介護の人達（以下スタッフと仮に言う）が付きっ切りで排泄物の後始末をしてくれる。ここ院内の幽界は、私の意思の外側で営まれている。仮想の世界そのものである。絶対他力本願の世界だ。私が自らの意志で首を振らなくても、動かしてくれる。自ら思考することも必要が無い。目を瞑ろうとするとカーテンが閉ざされる、恥部の閲覧は専らスタッフ等の特権である、自分の恥部は自分では見ることも触ることも出来ない。給食はお粥を主にした和食。右手ききなので、大匙で掬っていただく、全ての飲食物には肺への誤嚥を防止するためとろみが入っている。気楽で、安楽な毎日が続いた。この幽界には恥部（恥ずかしさという感情）は存在しない、秘密もない隠匿する物もない、あるものは全て白日に晒される、しいて恥部（恥ずかしい）と言えばそれは、心の中に芽生えた脳梗塞と宣告されたことを認めようとしないちっぽけな心の意地だろうか。 数日経ちここ一人専用部屋501号室から508号室へ移された。 508号室には、先客3名ほどが横たわっていた、スタッフから洗面コーナーやトイレのことの説明があったが上の空だ。ナースコールボタンの説明もあった。今は私はこの部屋では新参者だ。ひたすら、古参者を観察した。いずれも私より重症らしい、また糖尿系の人もいるらしい、糖尿病は、なかなか厄介な病気らしい、明るい光は何時になったら差し込むのだろうか。 給食は入室の順に従って運ばれてくる。私は四番目なので、一番最後に配られる、待ち遠しいとも感じた。このことを後日、リハビリスタッフ姉ちゃんの大日向さんに言って鬱憤を晴らしたが、よくよく後日リハビリ病院へ転院して観察したところ、この給食を配る順番は客人の症状が重いか軽いかの度合いによって決めているらしい。私も点滴をときどきしていただいた。点滴は栄養剤の入った大瓶ではなく、肺臓に繁殖しているばい菌を殺す抗生物質らしかった。ばい菌によって肺の活動が阻害されると血液中の酸素濃度が減少し、体力の衰弱を招くのだ。 さて新参者も、「嫁も何時かは姑になる」のことわざ通り、私は窓際のベッドへ移された。ここの病棟の病室からは、鹿角市花輪の東山方向が雄大に見渡せる、雪景色や吹雪での交通の困難さが直視できる。下界は躍動しているのだ。「名主」気分だ。 姉や次兄たちが見舞いに来てくれた。家のことは何も心配するな、心おきなく治療しなさい、心配事がなければ退院しなくてもいいと言うののだ。良かったここの幽界で終末を迎えるまで居れるのだ。しかし待てよ、入院費は誰が支払うのだ。うかうか漫然と気長に入院しておられない。私には下界に遣り残している事柄が無数にある。気が急っているのだ。世界有数のホームページ（GLN）が待っている。病院は想像以上に快適なパラダイスです、その快適な生活から脱出（退院）するよう激励のお見舞いにはそれなりの、意味づけがなければ、客人たちの翻意を決意させることはできない。見舞い人は客人に向かって、下界たる人間界は、以前にも増して希望や未来がありきっとあなたの幸福を約束すると、力説しなければ客人は翻意しません。 ベッドの左側には床頭台（この家具の名前、後日リハビリ病院で初めて知った）が据えてある。見舞客たちが床頭台に何々を仕舞ったから活用しなさいと言うが、左手がやや不自由で左半身が全然不自由なので、床頭台へ手を伸ばすことが出来ない、高嶺の花だ。飾り物だ。邪魔だ 家族の見舞いの効果は千差万別である、隣の佐藤Yさんには二人の息子さんがおり快活な楽しい会話が聞こえる。人間誰しも自由を奪われると、たとえそれが些細なことであっても例えば小指を繋がれようとも、その苦痛は耐えられない、天地鳴動の騒ぎとなる、おむつの下に手を差し込むとして右手を縛られたら堪らない。彼は命運をかけて暴れ狂う。 向かいのベッドの老客人は、糖尿も併発しているらしい動作が緩慢だ、この客人の愛妻と思われる方が頻繁に見舞いに訪れる。今年は厳しい冬だわ、私寂しいけど、家のことは心配ないから安心して治療して下さい。エアコンは二十度に設定していたが、ドンと音がして止まったわ困っているわ。寒い冬で心配だがなんとかしているわ。早く治って下さいね。段々だまりっこくなる。「もっと若けりゃ、すぐ飛んで行ってエアコンを直してあげたいが今は、どうにもならない。」と客人つぶやく。「あなたのために美味しい料理を作るので一緒に食べましょうと言ってくれれば」よし私もがんばると客人は小声で言う」 愛妻が帰ると客人はぐったりとなってしまう（私の気のせいか）。 私の病室近くには精神科の病棟があるらしい。毎晩決まって8時半から数十分間、若者らしい甲高くしわがれた悲しいいたたまれない心の叫びが聞こえる。ごんぼほりではない、ただをこねているのでもない。「家族に言いたい。私は何故此処にいるのだ。何故ここに居なければならないのだ。わたしをこのようにしたのはあなただ。私はあなたの胸に抱かれて幸せに育ってきた有難い、幸せだった。しかし社会のことを知るようになってからあなたの言うことと、社会のパラダイム（規範・枠組み）とがあまりにも乖離していることが分かった。あなたは私に嘘を吐いてきた。あなたから教わった道徳や教養は、社会には何の役にも立たない。むしろ有害だ。それらは実現不可能な虚構だ。空想だ。しかし、このような知識は、私の心の奥に大事に蓄積されている。私はそのことで甚く悩んでいる。だからこのように、声高にあなたに訴えているのだ。どうしたらこの矛盾や悩みを解決できるのだ。教えておくれ。私の記憶を消せと言うのか、それは無理だ、この私の記憶はあなたともに存在しているのだ、答えておくれ、これが解決するまで言い続ける。私を隔離しないでおくれ。」このようなことらしい。 脳梗塞の客人の病棟でも、このような呻き声が絶え間なく聞こえる。私は自分自身が正気なのか認知症なのか、心が揺れ動く毎日が続く。 肺炎の症状（血液内の酸素量だろうか）は恢復してきた。リフト式の入浴、洗髪など足先までスタッフが全て、大根を洗うように、人手による全自動の入浴をせてもらった。 愈々リハビリの順番が回ってきた。訓練室は1F、車椅子には、最初は柳館訓練士に乗せていただいた、柳館さんの押す車椅子は猛スピードで走るは走る、「どけどけ! 私は小泉進次郎だ。ただ今参上する、どけどけ!」私は小泉進次郎の名跡を襲名したばっかりに、幽界における悔んでも悔やみきれない汚点を遺した。車いす乗車のための運転免許を交付されないこととなったのだ。名主の私は、足置きペタルに足を載せることも、ブレーキを掛けることの忠言も、上の空であった。 左脚は重く持ち上がらない杖を頼りに歩行訓練が始まる。認知症のテストや訓練も始まった、左手や左の指の動かし方で大日向講師に注文をつけながらの日々が続いた。 真面目にリハビリすれば、歩行の見込みが期待されるので、リハビリ病院への転院を薦められた。希望の病院は大湯リハビリ温泉病院に決まった。 転院の前に三階の産科病棟の近くの一室に移された。赤ん坊の泣き声も聞こえる。此処が娑婆への関門か(^-^; 地獄の話でも、鬼の話でも 平成30年（2018）2月7日、リハビリ病院へ転院の日だ、朝から晴れ上がり、一面の銀世界は気持ちいい。輸送は専門の車両を呼んでもらい、車椅子に跨って乗車した。佐藤正孝さんと娘の学子が付き添ってくれた。 入院に先立ち、医療機器CT、同MRI エックス線撮影など検査を受けた、三階517号室へ案内された、早速ベッドへ昼食が配膳されるとろみベースの和食、美味しい日本古来の味だ。完食、なおこれまでの給食も全て完食している。午後ナースステーションで主治医の杉山医師の説明を受けた。「左心臓辺りの血管の一部の粘りこい血液が脳血管を詰まらせ脳梗塞を発症させたと、その後の経過は順調なのでリハビリにせいを出せば、元通りのようになるだろう。退院までには三か月位だろう。この説明を聞いた旨のサインをして下さい。おっ新字体できちんと書きましたね。」予定では隣病棟への入院だったが、混んでいたので取り合えず517号室への入院となったらしい。 脳梗塞の客人の病棟の夜間の狂声は何処も同じ、帰宅させてくれ、帰りたい。私は今正気なのか認知症なのか、心が揺れ動く毎日が続く。幽界では心は、微妙に動揺し、平静を維持することは至難の技である、深夜病棟内は静寂なるときがある、このときになって、今自分が正気の側に居ることを知る。ほっとする。 ベッドの左側には床頭台が据えてある。左側にあるから無用の長物だ。 リハビリ講師には、水谷Mr、神馬Mr、知坂Mr、加賀Mr、川原Mr、浅利Ms、神馬Ms等がいた。 ベッドから起きて車椅子に乗り、リハ講師の運転で、車椅子小泉進次郎は一階のリハビリ訓練室へ突っ走る。 入浴訓練のときは、主に病棟スタッフの運転で一階リフト浴槽へ突っ走る。 入浴訓練室（客人とは患者のことを言う）＝客人専用の浴室、コンクリート小浴槽、いくつかの舟型浴槽（横になったまま入浴）、大浴槽（温・熱）各一、大浴槽は歩行できる客人用。いずれも大湯温泉水が注がれている。 程なく第三病棟（リハ客人専用病棟）の512号室へ移された、二人用部屋だ、ナースステーションにやや近い。各室からのナースコールボタンが押されると、スタッフたちは子猫の如く、あるいはカモシカの如く。病室を目指して疾走する。病室のナースコールボタンは、ほぼ排泄物の始末依頼のときに押される、ベッドから車椅子に乗り移るときにも押される。トイレを済ませるとまたボタンを押す。おむつしてもらい車椅子に載せてもらう 私の自由な居場所は、ベッドの上とトイレの中にいるときだけだ。他の空間は、病院ルールによって四六時中厳重に監視されている。つまり軟禁されているのだ。 リハビリ（運動や作業）は毎日（休日も全て実施）、言語リハは必要の都度、私は入院中は全てリハビリに皆勤。 リハは運動や作業の時は、始めは、リハ訓練室備え付きベッド状の台に横たわってリハ講師による全身マッサージ30分以上、その後は主として歩行訓練室内約20メートルを二周ほど、杖、歩行器、トラベラー（買物用押車）、単独歩行と訓練は続く、いずれも、リハ講師に介添えをしていただく。今冬はインフルエンザが長期にわたって大流行したので、院内のスタッフやリハ講師は、全員マスクをしている。訓練室は壮観である、希望に満ちたリハ講師たち青年男女数十人の美しい瞳の数々、それに対応する人数の客人たちの明るい笑顔、まるでバラダイスでの憩いの一コマと思えば分かりやすい。 一番最初のリハビリは水谷Mrリハ講師突然認知症テスト、おなじみのイラスト図を記憶させて答えるもの、なんなく解答、意表を突かれて6821の数字を逆から答えるもの、とっさのことで、答えられない、このような数字の操作は現実世界ではありえないと抗議、この件お預かり。さてリハビリも後半の頃、同じような数字の問題6821の逆は何のためなのか、この数字のからくりを考えた、そうだこの数字6821をまる暗記すればいいのだ、うまく行った(^_-)-☆、ところで設問としての6821には、何か意味が込められているのであろう、この日の認知症テストは、パーヘクトであった。なお、昨年初冬自動車の運転免許証更新手続きにおいて私は高齢者に対するテストの時も、パーヘクトの正解であった。 訓練室での歩行訓練には、どんなときでも必ずリハ講師が傍で介添えし、監視してくれる。万一転ぶと怪我をするからだ。そんなら安全に転ぶ技を教えて下さいと何度も提案したが受付られず。幼児の歩行は、転ぶことから始まるのに…。 歩行訓練の最初は杖歩行、私は左脚が不随、右手に短めのステッキを持ち、20㎝右前に杖を突き、左脚（足）を同距離進め、次に右脚（足）を杖に添える、即ち、杖、左脚、右脚、～杖左右（つえ、ひだり、みぎ）、杖左右，以下繰り返す、初めは杖に頼り過ぎになり、緊張してバランスを崩すことがあるが、何十回、何百回繰り返すと、次第に慣れ、杖は突っ立てるのではなく、単に前方へ置くようにすると、杖歩行はスムースになる。 続いて自立歩行を試みる。 左脚が麻痺しているので、数メートル歩くと左脚が利かなくなるストライキする、歩行姿勢が乱れる、転びそうになる。 初めて床に二本足で立つ。幽界の地上は薄い雲に覆われている。 雲の上か、宇宙に浮かぶ筏の上に立っているようだ。足の裏が地についていない、足裏の皮膚がふやけているのだろう。空中遊泳のようだ。幽界の地上は、即ち空中なのだ。 もし読者がこれを体験したいなら、脳梗塞を発症するしかない、幽界での貴重な体験である。 訓練室での習得が進むと 毎週火曜日の午後、主治医杉山医師による実地評価がある、それぞれ順番に、歩行の習得状態を見ていただく、所要のコメントをいただき、合格した歩行内容について、今度は、病棟の廊下30メートルほどを、スタッフの介添えで毎日復習訓練する。自立歩行では、三階までの階段を上り下りする。慣れてくると屋外の散策路を新緑や花々を眺めながら歩く小鳥やカエルの鳴き声（応援歌）を聞きながらの楽しい散策のひと時である。 ところでここ三階の病棟の観覧席からは、鹿角市十和田大湯の大湯温泉の町並みが一望できる。観覧席（廊下の端）兼食堂、また廊下からは真冬にはコハクチョウ数羽が越冬しコハクチョウの雄飛を観察できる、流れる川は米代川支流大湯川上流域、分水嶺を越えると十和田湖へ通じる十和田湖へは真冬でも交通できる。 三階リハビリ客人専用病棟には、大館市や鹿角市からの客人、数十人が収監され、各自幽界のパラダイム（枠組み・規範）にリハビリの期間中、それぞれの人生を託している。「類は類を呼ぶ」、同じような罪種・境遇・年齢層の客人たちはニ、三人ずつ仲間になって、暇を見ては談笑する光景は微笑ましい正に類は類を呼ぶ。 客人の多くは、実家へ帰りたい思いを抱いている、幽界に踏み込んでもなお現世界への情念を断ち切れないのでしょうか、脳梗塞判決を受けたことに抵抗しているのだ、冤罪だ、実家へ帰って無実を証明したいと鬼スタッフたちへ訴え続けているのであろう。これらのうめき声が深夜の病棟を騒がす。客人には他の客人の部屋を徘徊するご仁もいる。客人老女は言う、「私は親に逢いたいので探している。お前にも親がいるだろう、お前も親に逢いたいだろうから。私の親探しにもに手伝っておくれ…。私の願いは間違っていますか。間違っていないね。お前も正気ですね。認知症でないね。誰が認知症なのてすか。私は脱走してでも、家へ帰りたい」。 病棟の廊下の端には長椅子のバリケードが設けてある、毎朝車椅子に跨った数人の脱走志願隊が集結する、中には物陰に潜んでいる勇士も見かける。帰郷願望客人は根が深い。 脳梗塞を発症して認知症になった客人は、夜になると別人になることがあるようだ。つまり認知症神経回路が正常を目指してもがくらしいと想像したい。本来頼りになる筈のスタッフや肉親の優しいが厳しいルールの指示、注意など、客人本人の心境たとえぱ今はそっとして欲しい、散歩したい、追憶していたい、そんな心境にある時、例えば、時間だから寝ましょうとか、おむつを取り替えようとか、スタッフは客人のことを全然無視している、このスタッフは頼りになる人ではなく、悪人だ、敵だ、触るな近づくな、客人はは防御の抵抗をする、歯をむいて抵抗する。声を張り上げて叫ぶ、狂声を発する、毎夜深夜の出来事だ。 私には次のような体験がある、定年退職して故郷秋田県鹿角市の自宅へ転居し、ある好天の日、以前から何年となく神社での年末のお日待ち（お籠り）などでお世話になった老女が日向ぼっこしている傍を通った、おそらくその人は認知症に罹っていたものと思われるがその時は私は分からなかった。その時私は、彼女の視線を無視して通り過ぎたのかもしれない、その後日向ぼっこをしているとき、その人の傍を通ったら、お前とはは最早知り合いではない、お前は悪人だ敵だ、老女は言う「私は歯をむいてでも、お前のような悪人を追い払わなければならない」と……。、私［守］は以来その家の傍を通ることを止めた。 そのことから、信頼すべき人が、客人のその時の心境を無視して、治療（リハビリ）を強行すると、そのスタッフをを敵対視するようになるのではないだろうかと憶測している。例の精神科病棟の出来事も類似しているように思われる。客人の病状を治療しようとする善意はとても尊いことてあるが、客人とスタッフとの心意気が合致していないとあらぬ徒労になるのではとの憶測も生まれるのである。 スタッフたちは善意の塊である、私からすれば、よく人間ができていると 心から感服しています。 ヒトには触って欲しくないくすぐったいところがある。 例えば、自尊心とか、弱点とか、得意のこととか、食わず嫌いのこととか、本心（本性）とか、将来の目標とか…この感情が無頓着な人のことではない この場合、スタッフが、その客人のくすぐったいところの神経回路に敏感に抵触すると、思わぬ逆襲に遭うことがあるらしい、この種の病院では客人は全て、その秘密は白日の下に晒されるとは言え、誰しもくすぐったい感覚はあるので、その度に客人は拒否反応を示すのではないだろうか。 認知症や精神異常になるには、幼児から現在まで、本来複々線など多くのの神経回路に増幅成長すべきところ、保護者又は配偶者や家族、姑などの強い制約を受け続けて経年成長する中で、単線～単純線～細い繊細線に狭まれてしまい、そこにトラウマや脳梗塞を発症したため、唯一の単線回路が寸断され、応急回路が不完全にできてしまったのではと考えざるを得ない。若し神経回路のバイパスが人工的あるいは訓練において回復～敷設可能の技術が可能になるなら、私共人類はすべからく、安泰な人生を送れると考えられるがいかがでしょうか。 世界宗教（聖書宗教、仏教）は、いわゆる現在困苦があるという前提で成立する。聖書宗教では出生率に対して非健康者の占める割合がなかなか改善されない（その要因は、砂漠化による食糧難でしょうけれど） 非健康者の出生割合を減らし健康者の出生割合の増加、それは、いわる「健全なる精神は、健全なる身体に宿る」という概念に通じる、即ち、強者による、「力は正義なり」というスローガンである、強者＝健康者による世界制覇である。聖書宗教は現今世界を凌駕しようとしている。 一方、仏教では生活難に心配するとのない上位階層に生きながらなお生老病死の苦から逃れることは出来ない、その苦から逃れまたは克服することの生き方・方策を創出した（出家）。しかし生きるためには、生活を保障してもらわなければならない、そのために利用したのが喜捨という慣習（パラダイム（枠組み・規範）であった、後に出家集団の生活を安定させるため供養という概念を採用した、日本仏教は喜捨側（出家者を経済的に支える権利）＝供養側を為政者（国民）に委ねること（為政者の庇護）の下で継承されてきた。 即ち、世界宗教は、基本的には聖書経典に絶対帰依（絶対他力本願宗教である。 しかし世界宗教はが立教以来、人類は著しく進歩してきた、即ち、食糧難については、先人賢人の英知によって克服しつつある。苦についても、医療技術の進歩により大幅に緩和されてきた、したがって、人類は最早自立本意の時代に突入している、つまり三元論の適用である。 奇跡 思うに聖典にしても、仏典にしても、それの辻褄を合わせるために平然と［奇跡と言う身勝手な珍現象を創作したり。はてまた摩訶不思議なことと、発言をはぐらかしたり⇒ことわざ「うそを言わねば仏になれぬ」なども、それでも埒が明かないときは武力で目的を達しようとする これらの宗教は、絶対他力の宗教である さて聖書宗教の内キリスト教の特徴はプロテストにあるときのイエス･キリストはラビ（ユダヤ教の指導者）として、パラダイム（枠組み・規範）にプロテスト（抗議）した廉（かど）で死刑になった、（真のキリスト教徒）は、このイエス･キリストの惨い死に方に報いる（殉ずる）ために何事にもプロテストして惨い死を遂げなければならないのだ、 最近、欧米イズムに被れた日本の亡者たち（＝ドクター、教授プロフェショナル マスコミ・自称インテリゲンチャ 知識人などでの軽薄な偽知識人たちは 盛んに体制にプロテストすることで生きがいを勘違いしているようである、なんでも反対・異議ありと、対案を示さないで反対と、反対しなければ、反民主主義だと、先見の明がないなどと、知能レベルが低いなどと、喧伝している、と盲目的にプロテストしている愚の骨頂だ、もし、プロテス集団が巨大化すれば、また別のプロテスト集団が現れ、討つものは討たれ、やがて共食い状態になり、双方ともこの世から消滅することになろう。プロテストの終焉 プロテストの終焉 プロテストとは、命運を賭けて行動することなのだ。 ◆あなたの目標（人間として生まれて果たすべき課題）はなんですか。キリスト者になることですか、学生生……むごい死に方方」 ところで勤労も労働も働くことである、ここで指摘しておきたいことは、日本における勤労と労働とは、概念が異なる、勤労とは自分のために勤しむことである。自分の望みや目標を達成するために働くことである。従って見返り対価は期待されない、労働は単に働くことである、この場合原則として見返りを伴う、したがって「ただ働き」、「骨折り損の草臥儲け」、「無駄骨」などの言葉が生まれる。 即ち、勤労とは自力本意の思想なのだ。よって三元論の考え方に到達する。 宇宙に存在する。恒星のうち、 霊星とは、自分の自力の目標として、任意に見定めた星（神）のことで（星座を含む。従前のの名称や物語などの説話）に関係なく、任意に文言を付加することができる。例えば南十字星を自分のアイコンスターだと見定めた場合、自分は人々に素敵な指針を与え得るような人物になるべく努力しよう。 トランスファーとは ところで、トランスファーとは、介添えなしに身の周りのことが出来ることらしい。独りで寝起きし車椅子を駆ってトイレへ行くことをいう、トランスファーに合格すればスタッフへの依頼度はなくなり、自立への初期能力だ、 前掲、私の自由な居場所は、ベッドの上とトイレの中だ それぞれの所作のチェック（チェック者はスタッフ）に合格すれば車椅子に乗って自由に病棟内の用足しができる。自立への登竜門だ。 小泉進次郎のような時の人に出世するには、いいちいち、足置きペタルのことや、ブレーキのことなど些細なことに神経をすり減らすこともない。便秘が重くなると座席に座ると痛くて堪らない、そのため浅めに腰掛けるとふんぞり返った格好になり、まるで田舎紳士だ。深く腰を掛けて座ると猫背になり、スタッフやリハ講師の燕たちは口々に鳴き騒ぐ。みぐさいと（不格好だ） 私の車椅子は経年物なので足置きペタルがすり減り斜めになっている、漫然と足を載せていると下へ滑り落ちる、走行中に落ちると、アウト宣告、走行中に姿勢を正すと必ず足が落ちるのでアウト宣告。 ベッド脇に車椅子を駐車させることになっている。何かと便利だからだ。そこは青空車庫だ、カーマニアは普通車庫では愛車の運転前にエンジンをかけて調子をみる、走行前の点検だ、運転手の義務だ、ふかしたりブレーキペダルを踏んだり、ウインカーを操作したりライトなどを点けたりなど、そうこうしているに、足が滑り落ちるアウト宣告される、車庫では普通サイドブレーキをしない、厳しいリハ講師は必ずブレーキをかけていると言う。わが愛車の右ブレーキは軽くて操作しやすいが左ブレーキは硬いので、相応の力では動ない、右ブレーキのつもりで手を触れてもびくともしない、そんな時チェックされると左手が若干麻痺しているのかもしれない毎回きまってアウト宣告、意気消沈堪らない、他の車椅子のブレーキを試してみたいが、監視の目があり疑惑を招くかもしれない。 車椅子を停止したら、ブレーキをかけたままにしておかなくてはならない。次に乗るときうっかり手をかけると動いて暴走し危険だからだ。車庫は私の居場所だ、車庫入れすると後は前進することはないのと居場所だと思って気が緩むせいか、ブレーキには気が回らない、そんなときチェックされるとアウト宣告、私は前立腺肥大手術をしたので膀胱のしまりが緩い、尿漏れしたり尿を我慢出来なくなる、また尿意は突然津波のように襲うので、トイレまで無我夢中で、足置きなどかまっておられない、トイレに到着すると安心してブレーキを忘れることもある。トイレに到着し、停止状態になろうとしたとき、ブレーキするいとまもなく寸前でアウト宣告。あまりにも過酷で厳しい判定だ。しかしスタッフがルールブックなのだ。「私はこの病院では、特別優待客人としての待遇を付与され（地獄での前科者）、それ故に「イジメ」を受けているのであると思うしかないと思い悩む日々でした……。」 依然として、杉山主治医は、チェックノートを吟味もせず櫻田は頭がよいが、不注意なところが心配だ車椅子のトランスファーは合格させられない…。スタッフやリハ講師陣がトランファーチェックに関わるのですが、何回何十回も注意をいただきながら、合格点をいただけるまでに操作できるようになった。ところが、ナース陣のチェックは厳しい、車椅子がトイレに到着したら、まずブレーキ、足置きペタルを上げる、そこまでは納得済み、その次がいけない、おしりをトイレに向けて直立してスタッフが来るまで待っているのだ、スタッフ到着のスタッフの了解を得て、リハパンツ（おむつ）を下げて、便器に腰掛けるのだ。それまで尿意を我慢しなければならい、用を終えたらナースコールする、スタッフが到着しなければ便器から立ってはいけない。 いつもの介護スタッフはこのような場面はそれなりに簡略化しているが、介護機会の少ないナーススタッフのチェックは厳しい、アウト宣告。 そもそも私は車椅子の構造を教わっていない、乗るのも初めてだ。車椅子の構造は自動車と同じなのだ。自運転中、真っすぐ進もうと両手で外側の子輪を回してみた、真っすぐ進まないパニックになった、押して進むと真っすぐ進むのに何故だ。自動車の前輪の上端は内側に傾いている、前端も内側に傾いてる、そのため自動車はまっすぐに進む、前輪の車軸も前方へ下がっている。車椅子がまっすぐ進まないのは左手の力が右手の力より劣っているからだった。病棟内では、車椅子はパソコンのマウスと同じように、とても重要な機器です、リハスタッフにもときどき訴えたが、歩行訓練も大事だが、院内生活を快適に過ごすためにも車椅子の基本構造と扱い方、乗り方の説明にも配慮して欲しい。 そのうちにトラベラー（カート）を押しながら病棟廊下を歩行することの許可が出た。寝起きからトイレまで、スタッフの介添えなしで用を足すのである。 現在生身の人の言うことはそれぞれ皆正しい何故なら、それゆえに現在を生きているからだ しかし、渡り鳥の遥か長い航跡のように、その発言を繋ぎ合わせて一本の筋にし、その筋を輪にしたとき、欠けることのない輪にすることは［理路整然・矛盾のないこと］＝辻褄合わせることは至難の技だ。 聖典にしても、仏典にしても、それの辻褄を合わせるために平然と［奇跡と言う身勝手な珍現象を創作したり。はてまた摩訶不思議なことと、発言をはぐらかしたり⇒ことわざ［うそを言わねば仏になれぬ」など。それでも埒が明かないときは武力で目的を達しようとすると私は指摘したいがいかがでしょうか。 これらの宗教は、絶対他力の宗教である。 森羅万象、この世界のモノ［生命・思想・パラダイム（枠組み・規範）にはウラオモテ（裏表）がある］ ウラオモテを巧みに操って集成し、人間本来の幸福を指向しようとすることに収斂された言葉が日本のことわざであろう。キリスト教にも、イスラム教にも世界の各地にそれぞれことわざがある（ことわざは単に言葉の遊びであってはいけない、人間の本性を体現したモノでなければならない）日本の和はそれらの、集合思想であろう。 聖書に言う全知全能の神である絶対創造の神が存するならば、何故イエスが復活の奇跡を成し遂げたのであろう。絶対神ならばこのことを明快に説明できなければならない。 聖書に言う原罪［人間の原罪とは、それは、当時の当該地域に住む素朴な人間が伝来の素朴な信仰を犯して聖書の教えに帰依した行為（罪）のことと考えられるがいかがでしょうか］ キリスト教では強者が尊ばれる。各国の国王はキリスト教に帰依し他の非キリスト教国を滅ぼしてキリスト教国を拡張する過程で富を奪取し蓄積し大国になる。キリスト者は強者にならなければならないそして強者は栄える、小国は大国に飲み込まれる、 イエスキリストの最後の晩餐を見ればこのことが理解できる、何時の世も出生する子供が全て健康とは限らない。非健全な子供が世の繁栄を妨げる。「健全なる精神は、健全なる身体に宿る」でも分かるように人間らしい文化的で健全な国家社会は強者即ち、健康でなければならないのだ。晩餐に集まった自分の子弟の中には必ずユダのような罪深い子がいる即ち、したがってユダ以外の健全な子弟たち沢山儲けなければならない、そのためには強者強国になって武力で教線（伝道）を弘めなければならないのだ。 さてこのことで、聖書には、裏切り者ユダのような人物（非健全者）の説話がとても重要な場面で登場している。勘ぐれば、数人のグループ（チーム）には、必ず非健全者が存在するということである。例えばこのような集団では必ず（前提として）、非健康者やスパイも構成員であるということであろう。それらの非健全者の最期には悲劇が待っていることになる。 仏教に関しては、阿弥陀籤を引けば、分かる、教徒がいかにもがいても、信徒の人生は決まっているのである。仏教ではヒトは生まれながらにしてプログラム化された人生の旅を粛々と行くのみである。 「二十五歳でリベラルでない者は心がない。三十五歳で保守でない者は知恵がない」 |